行方不明の相続人がいる事例
(相談者:登別市女性)
相続の解決事例
事案
母が死亡したが、行方不明となっている相続人が1人いるので、相続手続きをどのように進めたらよいか相談したいとのことで、当事務所にお問い合わせがありました。
故人の相続財産は預貯金のみでしたので、相続人が行方不明であっても、戸籍調査で見つかれば、解決できる可能性が十分にある事案でした。
そのため、まずは戸籍調査をして、現在の居所を判明させること、判明できた場合、法定相続分で分ける形をとれば、高い確率で相続手続きが完了する見通しであることを説明させていただき、受任いたしました。
解決までの道のり
戸籍調査の結果
今回、行方不明となっている相続人の戸籍調査をしたところ、住民票が発行できない状態でした。
住民票が発行できない状態とは、戸籍上は生存しているけれども、実際には、どこにも住民登録がない、印鑑登録証明書も発行できないという状態です。
住民登録をしていないと、健康保険の加入や就職ができないため、事実上、日本での生活は難しい状態となります。そのため、このように住民登録がない場合、何らかの事故、事件等によりすでに死亡している可能性があります。
または、ホームレス生活をしているかです。
現実的に、何年もホームレス生活はできないため、結論として、住民登録がない場合、すでに死亡している可能性が高いと思われます。
戸籍上は生きているが住民登録がない場合
戸籍上は生きているが住民登録がない場合、戸籍の附票に“職権により消除”という記載があり、住所の中心に横線が引かれている状態となっております。
この状態であると相続手続きをすることができないため、
- ① 戸籍上も死亡したことにする
- ② 警察に捜索願などを出し、行方不明者を発見してもらい住民登録をする
のどちらかを行うこととなります。
ただし、②の方法は、現実的にはほぼ不可能なので、②の方法を形式的に行ったあと、①の方法をとることになります。
失踪宣告の申立て
生死不明になって7年以上経過している場合、国の制度として、家庭裁判所に失踪宣告の申立てをすることができます。
生死不明になって7年以上経過していない場合には、7年間待ってから失踪宣告の申立てを行う必要があります。
失踪宣告の申立ては、書式自体はそれほど難しくないのですが、相続人様が利害関係者として、自身で家庭裁判所に失踪宣告の申立て(正確には、普通失踪宣告の申立て)をする必要があります。もちろん、弁護士が代理で申請することも可能です。
記入は、A4サイズの書類2枚程度ですし、裁判所がホームページに記入例をあげていますので、それを見ながらご自身で書くことができます。
今回の相続の事案では、行方不明の相続人の方が行方不明となってから7年未満でしたので、窓口となる相続人様には、行方不明から7年の経過を待ってから失踪宣告の申立てをすることをアドバイスさせていただきました。
行政書士の方で、今後の解決までの具体的なスケジュールを示し、今回の当事務所の業務は一旦完了となりました。
感想
相続手続きは、相続人が複数いる場合には、すべてが順調にいくわけではありません。今回は、相続人の一人が行方不明という点が手続きを困難にしていました。
相続手続きにおいて、すべてがスムーズに進むというケースはむしろ稀です。
- 一旦、親族で話し合いをしたが、どうも自分たちでは解決できなそうだ
- 何から進めたらいいかさっぱり分からなくなった
という場合、相続手続きを多く扱っている専門家に相談するのが良いと思います。
相続人様の間で紛争があれば、弁護士、相続人様の間で紛争はないが、どのように相続手続きを進めたらよいか分からないのであれば、行政書士か司法書士を窓口とすると良いと思います。
もちろん相続専門のたまき行政書士事務所でも、様々な相続のご相談に応じております。
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