子供のいない一軒家に住む男性がお亡くなりになった事例
(相談者網走郡美幌町男性)

相続の解決事例

事案

子供がいないご夫婦で、妻が先に亡くなっており、今回は、夫である男性が死亡したことにより相続が発生したとのことでご相談を受けました。

お亡くなりになった方(以下、「被相続人」といいます。)に子供がおらず、ご両親が先に死亡している場合、いわゆる“兄弟姉妹相続事案”となり、被相続人の兄弟姉妹又は甥や姪が相続人となります。

今回、被相続人の兄弟姉妹は半数以上の方が死亡しておりましたので、被相続人の兄弟姉妹の他に、甥や姪が法定相続人となっておりました

財産構成

財産構成は、夫婦の住んでいた一軒家の平家預貯金普通乗用自動車1台でした。

相続手続きの順番

戸籍収集

まずは、相続人を確定するために、戸籍の収集をします。被相続人の出生から死亡までの戸籍に加え、被相続人の父と母の出生から死亡までの戸籍を集めました。

さらに、兄弟姉妹で死亡している方が複数おりましたので、代襲相続人の特定のために、被相続人よりも先に死亡している兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍を収集しました。

今回は、死亡している方が多かったため、戸籍を全部収集するのに3か月程度の時間を要しました。戸籍は、合計50通以上となりました。

財産調査

不動産の権利調査と、固定資産税評価額の調査、周辺の土地の調査を行いました。次に、預貯金の全支店の残高を確認し、残高証明書を各銀行で取りました。

最後に、自動車について、自動車検査証(通称、車検証)を確認し、所有者に残債があるかどうかを確認しました。

自動車については、残債がなかったものの所有権解除の手続きが行われていないままとなっておりましたので、真の所有者は、被相続人、形式上の所有者は、カーディーラーとなっている状態でした。

分配方法のアドバイス

今回の相続事案は、相続人が多数人で、住んでいる地域もバラバラであるため、シンプルな方法で分ける方がうまくいきやすいことを説明しました。

また、車や自宅一軒家については、いつどのくらいで売れるか分からないが、名義変更は行う必要があるため、代表者一人を決め、売却しても少なくとも赤字にはならないため、直接のご兄弟に名義人となってもらうことにしました。

預貯金については、諸費用を除いた法定分割という方針となりました。

遺産分割証明書の送付、返送

今回の親族関係は円満であったため、ほとんどの親族が連絡を取り合える関係性でした。そのため、分け方の方針について、皆さまご賛同いただき、遺産分割証明書を一斉に法定相続人の皆様に送付しました。

遺産分割証明書とは、遺産分割協議書と同じ役割を果たす書面で、相続人が多数人で、かつ、住んでいる地域がバラバラの時に用います

これに対し、遺産分割協議書形式で送ると、署名押印欄が連名となるため、いつまでも書類への署名押印が完了しません。

今回の事例では、皆さまが比較的スムーズに返送いただき、手続きを開始することができました。

相続手続き

行政書士の方で、代理して相続手続きを行いました。まずは、預貯金の相続手続き、次に、不動産の相続手続き、最後に、自動車の相続手続きを行いました。

自動車については、カーディーラーが所有者欄に記載されていましたので、相続手続き後、そのカーディーラーに買取をしてもらうことになりました

当事務所からは、全員の署名押印済みの遺産分割証明書と印鑑登録証明書を送りました。

感想

行政書士による相続の解説。北海道全域対応の無料訪問相談も行っております。

今回の相続は、人数が多かったのと、一軒家と自動車という物的に分けられない財産があったため、比較的、難しい部類の相続手続きとなりました。

しかし、当事務所では、請け負う相続手続きの半数以上が兄弟姉妹相続事案であるため、時間はある程度かかるものの、最初から手続きのスケジュールを示していたため、合計で8か月近くを要しましたが、滞りなく完了しました

窓口となる相続人様も大変ご協力的であったため、無事完了しました。

いわゆる兄弟姉妹相続事案は、代表となる相続人のご協力と情報共有が重要となります。

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