兄弟姉妹相続事案でかつ代襲相続が発生し、相続人様が１０人以上であったケース
（相談者：札幌市豊平区男性）

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事案

子供のいない夫婦の相続で、いわゆる“兄弟姉妹相続”でありました。また、夫が死亡後、夫の遺産分割協議をする間もなく妻が死亡したという数次相続でもありました。

さらに、兄弟姉妹に死亡している方が多かったので、甥や姪の方が相続人となる代襲相続が発生していました。

そのため、相続手続きとしては、比較的難しい事案でした。相続財産には自動車、不動産、投資信託、預貯金など分けにくい財産も含まれておりました。

不動産登記をお願いした司法書士事務所で、銀行の相続手続については、相続人様自身で行うように言われ、銀行の相続手続きも含めてお願いできる事務所をインターネットで探していらっしゃったところ、当事務所にお問い合わせいただきました。

解決方法

遺産分割の基本は、前提となる財産の正確な把握となりますので、預貯金や投資信託などの残高証明書の発行請求をいたしました。ある銀行に行政書士の方で問い合わせをかけたところ、相続人様が把握しきれていなかった昔の口座が３つも出てきました。

銀行の相続手続きでは、残高証明書の発行を全支店検索で依頼すると、かなり昔のものまで遡って調べてくれます。時間はかかりますが、たまき行政書士事務所では、単なる解約手続きの代行だけでなく、財産調査にも力を入れております。

自動車については、売却をする場合、誰か1人の名義に一旦相続させ、その方に売却の手続きをお願いすることとなります。

今回は、相続人の代表者様に一旦名義を移し、すぐに自動車買取会社の方に売却をする流れとなりました。

その売却金は、相続人様へ法定相続分で分けることにいたしました。

不動産についても、すぐに売却できるものは売却し、売却益を分配することにしました。

すべての財産について金銭的な価値が把握できる状態になったので、諸費用を除いた法定相続割合をたまき行政書士事務所にて計算し、相続人様にお伝えして、各相続人様に振り込んでいただきました。

解決のポイント

今回のような、兄弟姉妹相続事案でかつ代襲相続が発生し、相続人様が１０人以上と多い場合、複数の相続人様のご協力が不可欠となります。

書類送付をなかなかしてくれない方がいたら、相続人様同士でサポートする、連絡しあうことが必要となります。

今回ご依頼いただいた、窓口となっていた相続人様は、相続人様同士をまとめていただき、行政書士と一緒になって解決に向けて協力いただきました。

兄弟姉妹相続の事案は、相続人様がご高齢であることが多いので、書類の返送が遅くなる傾向がありますが、皆様のご協力があり、解決しようというご意思も強かったので解決いたしました。

生前にできたこと

余談ではありますが、今回の解決事例は、子供のいない夫婦の相続手続きで、公正証書遺言や自筆証書遺言が無い状態での相続発生でした。

遺言が無い場合の相続手続は、相続人様全員の調査の後、どんなに縁が遠い相続人様（例えば、お亡くなりになった方と一度も会ったことがない方）でも遺産分割協議に参加いただき、署名と実印での押印が必要となります。

今回の解決事例のように、相続人の皆さまが協力的であればよいのですが、一人でも相続手続きに協力的でない方がいた場合には、預貯金の解約や不動産の名義変更ができなくなります。

結果論ではありますが、今回のご夫婦はそれぞれ、公正証書遺言を作成し、ご自身がお亡くなりになった際の財産の帰属を示しておけばよかったでしょう。

独身の方、もしくは子供のいない夫婦の夫、あるいは妻の遺言については、兄弟姉妹、あるいは甥や姪について遺留分という請求権が発生しないので、ご自身の財産のゆくえについて１００％思い通りにできます。（詳しくは、「遺留分とは」をご参照ください。）

ご自身の相続が発生した際に、いわゆる兄弟姉妹相続となることが予定されている方については、一度相続の専門に相談すると良いでしょう。

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