個人事業の屋号名義の未登記建物が相続財産としてあった事例
(依頼者:北広島市男性)
相続の解決事例
事案
個人事業主として整骨院を営んでいた方が死亡し、預貯金、自宅兼診療所、その他不動産の相続手続を依頼されました。
預貯金調査、自宅以外の不動産の調査が完了しましたが、自宅の家屋が名寄帳や固定資産評価証明書、登記簿にも全く出てきませんでした。
その後、調査や相続人の方への聞き取りを進めると、個人事業である整骨院を自宅に併設していたとのことでしたので、北広島市に個人事業の屋号で登録がないかを確認したところ、個人事業の屋号名の未登記建物として出てきました。
参考記事
未登記建物とは
未登記建物とは、法務局に登記されていない建物のことをいいます。昔の建物ではよくあり、例えば、住宅ローンを組まず、現金で建物を建てたときなどに未登記建物となります。
未登記建物は、ほとんどの場合、個人の名前で登録されていますが、自治体によっては、個人事業を営んでいる場合に、自宅兼診療所が屋号で固定資産税課に登録されることが認められていると思われます。
個人事業主も個人でありますので、屋号で登録されている未登記建物も相続財産に含まれることとなります。
未登記建物の相続手続き
個人事業主の屋号で固定資産税課に登録されている未登記建物についても、遺産分割協議で誰に帰属するかを決めます。
そして、相続人が個人事業を引き継いでいない場合には、固定資産税課への相続の届出の際に、屋号ではなく相続人個人の名前に登録を変更することができます。
今回屋号で登録されていた未登記建物は、個人の所有の未登記建物に変更することで解決いたしました。
未登記建物については、法務局に登記されていないため、法務局への申請は必要ないのですが、建物の所在している自治体に遺産分割協議書や印鑑登録証明書を提出し、相続人の誰が新所有者となるのかを届け出る必要があります。
遺産分割協議書はコピーでいいのか、印鑑登録証明書の提出が必要か不要かは、自治体によって異なりますので、随時確認する必要があります。たまき行政書士事務所では、未登記建物の相続手続きについてもサポートしております。
未登記建物の届け出の申請は、行政に対して行うため、行政書士や弁護士の専門領域となります。もちろん、相続人様本人が申請しても問題ありません。
未登記建物から登記済み建物にするには
未登記建物のまま相続手続きを行うことができますが、未登記建物であることには変わりません。そのため、まずは、未登記建物の相続手続きをした後に、登記済み建物に変更するという流れとなります。
登記済み建物にするには、国家資格者である土地家屋調査士という方に、設計図の提出や測量などを経て建物の表題登記を行っていただく必要があります。
たまき行政書士事務所では、ご希望の場合、土地家屋調査士の方をご紹介し、建物の表題登記を依頼することができます。
売却するときや新しい火災保険に入るときには、未登記建物のままでは不都合が出ることがありますので、未登記建物ということで不都合が出た場合には、建物の表題登記を土地家屋調査士に依頼するとよいでしょう。
たまき行政書士事務所でご紹介した事案としては、未登記建物のままでは火災保険に加入できなかったとして、土地家屋調査士を紹介し建物の表題登記を行った事案が複数件あります。
まとめ
相続が発生するときには、いままでわからなかったことがわかることがあります。例えば、
- 2階建てなのに1階建てで登記されている
- 増築したが増築部分が未登記である
- 今回のように未登記建物で、かつ、屋号で登録されている
などいろいろあります。
現在では、建物はローンを組まないで建築をするにしても登記をすることが通常であり、未登記のまま登録することは推奨されていないため未登記建物は少なくなってきているのですが、20年以上前の法制度はゆるく、未登記建物が認められていたこともあるため、今後のために、相続の際に整理をし、建物を登記することも大切な場合があります。
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