未登記、登録なしの動産などの相続財産の処理について
相続・遺言コラム重要な財産は、登記や記録・登録がある
不動産
不動産には登記制度があり、土地については、ほぼ間違いなく誰かしらに登記されております。
建物については、銀行などから融資を受けている場合には、登記がしっかりとされております。銀行などから融資を受けないで、地元の工務店等に現金払いで建物を建てた場合には、未登記であることが多いです。
ただし、未登記建物は固定資産として自治体に登録されておりますので、未登記の建物については、登記はされていないが、登録はされているということになります。
預貯金
預貯金に登記のような制度は特にないですが、銀行実務において、預金債権としてしっかりとした記録がされております。
自動車
自動車については、普通自動車、軽自動車ともに登録制度があります。
これらの登記や記録・登録制度がある不動産や債権、動産を被相続人が所有している場合は、登記や登録、記録をしている相手方(法務局、銀行等金融機関、証券会社、運輸支局)に誰が相続するかを示す必要があるので、不動産、債券、動産などの相続財産は基本的に、財産目録や遺産分割協議書に具体的に記載する必要があります。
相続財産ではあるが登記や記録・登録がないものについて
登記や記録・登録がないものの代表例3つ
① 現金(紙幣や硬貨)
登記や記録・登録がないものの具体例として、一番わかりやすいのが現金(紙幣や硬貨)です。紙幣には発行番号がついていますが、紙幣を見ただけでは誰のものかはわかりません。
亡くなった方の財布の中にあるものについては、亡くなった方の相続財産といってよいでしょう。引き出しの中に入っている現金も、その収入源が亡くなった方の稼ぎであれば、亡くなった方の相続財産となります。
② 日常生活で使っているテレビやソファーなどの家具家財、いわゆる“動産”
登記や記録・登録がないものの具体例として次に挙げられるのが、日常生活で使っているテレビやソファーなどの家具家財、いわゆる“動産”です。
家具家財が亡くなった方の家の中にあり、亡くなった方の収入が家計の収入の中心を占めていたならば、日常生活で使う家具家財についても、亡くなった方の相続財産といってよいでしょう。
③ 高級腕時計や貴金属
最後に、登記や記録・登録がないものの具体例として、高級腕時計や貴金属が挙げられます。
登記や記録・登録がないものの相続手続き
登記や記録・登録制度のない相続財産の相続手続きについては、登記や記録・登録の変更を依頼する相手方がいないため、財産目録や遺産分割協議書に載せなくても、問題なく手続きできることがほとんどです。
ただし、相続税が発生する相続案件の場合には、遺産分割協議書に誰が相続したかを載せる必要があります。
家具は数が多くなるので、相続税案件で遺産分割協議書に家具を載せる際には、不動産や預貯金の相続先を記載したあとに、「動産等その余の財産の一切を〇〇が取得する」と記載します。
相続財産で、登記や記録・登録がないものの財産価値
テレビ、ソファー、机、椅子など日常生活で使う物は経年劣化しますし、最近の家具は量産されて、かつ質の良いものが売っているため、1つずつ具体的な金額を算定するのは限界があります。そのため、税理士の方の申告においても、「家財一式30万円」などと概算額で申告するものとなっております。
ロレックスや希少価値のある宝石など、貴金属の相続財産の扱い
ロレックスも相続財産
ロレックスや希少価値のある宝石など、貴金属(以下、「ロレックス等」)は、登記や記録・登録制度がないので、相続が発生した際に客観的に見て誰のものだかわからないといえます。
しかし、ロレックス等を買った方の所有財産であったことは間違いありませんので、ロレックス等を所有していた方がお亡くなりになると、ロレックス等も相続財産となります。
もっとも、ロレックス等は流行りや年数、製造本数によって価格が上下しますので、財産価値がいくらになるかは不透明です。
ロレックス等の遺産分割
ロレックス等の財産価値を素人が正確に算定するのはとても難しいといえます。
そこで、遺産分割の際には、相続人同士が合意すれば、例えば、「このロレックスは100万円としよう」と大体の金額で決めてしまって構いません。
遺産分割協議は、紛争性や遺言書が無い限り、相続人の自由な取り決めで遺産の分配を決めることができます。
ちなみに、相続税が発生する案件では、正確に相続税を申告するために、ロレックス等の財産価値も正確に算定する必要があります。
これは、基本的に税理士の方がなさるため細かいことを覚える必要はないのですが、わかりやすくいうと、“相続発生時点での相場”となります。
ロレックス等も専門用語でいうと一般動産として扱われ、評価額は原則として、売買実例価額および精通者意見価格等を参酌して算定します。
精通者とはその道の専門家のことで、ロレックスであれば、高級時計の鑑定士(特に国家資格というわけではない)などが精通者にあたります。
参考HP
まとめ
今回のコラムでは、登記や記録・登録がない相続財産について解説してみましたが、相続が発生すると分からない点が個別にいろいろと出てきて、それらが複雑に絡み合い、何からどう相談すればよいのか分からない状態になります。
相続の専門家であれば、お客様から頂いた沢山の情報を整理し、質問をするなどして問題を解決できることが多いので、相続全般でわからないことがあれば、相続手続きに精通している専門家に相談すると良いでしょう。
もちろん、たまき行政書士事務所でも行政書士が直接ご相談に応じて、お客様の疑問点等をわかりやすくゆっくりとひも解いております。
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