【遺言を作成した方が良い方】第13話
夫婦でペアローンを組んで住宅を共有している夫婦
(記事では、札幌市内の夫婦を想定)

相続・遺言コラム

ペアローンの場合、所有権は夫婦で2分の1ずつ、夫婦が互いに連帯債務者

夫婦共有の登記簿イメージペアローンを組んで、自宅の所有権を夫婦で2分の1ずつ共有している場合には、夫は、「自身の共有持分を妻に相続させる」。妻は、「自身の共有持ち分を夫に相続させる」という遺言(特に公正証書遺言)を書いた方が良いです。

夫婦で共有してるからといって、相続が発生したら、必ずしももう一人の共有者が相続できるわけではないため、「自分以外の共有者に自身の共有持分を相続させる」という遺言を書いた方が安心です。

ペアローンの片方の所有者が死亡した場合

多くの場合、団体信用生命保険に入っているので、例えば、夫がローン返済中に死亡した場合には、夫の分の住宅ローン債務が消えます。ただし、妻の住宅ローンは残りますので、妻は、約半分になった住宅ローンを支払い続けて、これまで同様に夫婦の自宅に当面の間住み続けます

ここまでは、想定内の出来事であると思います。

問題は、夫が死亡したら当然に妻に所有権が移転するわけではないということです

夫婦に子供がいる場合、2分の1ずつ共有となっている自宅や預貯金の分割について、子供と遺産分割協議をする必要があり、夫婦に子供がいない場合には、夫の親や兄弟姉妹と遺産分割協議をする必要があります。

夫婦に子供がいない場合で、かつ、夫のご両親が死亡している場合夫の兄弟姉妹と遺産分割協議をする必要があり、親族関係があまりよくないと揉めることがあります

しかし、妻に共有持分を相続させる旨の遺言(特に公正証書遺言)を書いておけば、妻は安心して夫の共有持分2分の1を相続することができ、夫婦の自宅の所有権を100%取得することができます

参考記事

遺言を残したい

(余談)住宅購入の際にペアローンを組んで夫婦で共有となる経緯

札幌市で住宅を買うきっかけ

結婚して1年位が経過した頃から、

  • ① 賃貸アパートで家賃を払い続けることに疑問を感じる
  • ② 夫婦に子供ができて、子供の泣き声や遊ぶ音が、隣や上下の部屋まで響いていないか気にする生活が続く
  • ③ 初夏になって、庭や広いベランダで家庭菜園でもしたいと思いはじめる
  • ④ 冬に駐車場の除雪をする際に、同じアパートの住人とトラブルになるのを避けたい

などという理由で、北海道では結婚すると一軒家や分譲マンションを購入しようかという話になります。

北海道では、月々の家賃と月々の住宅ローンがほぼ同じ

東京23区内にお住いの方は考えにくいかもしれませんが、北海道では、札幌市のように人口が200万人近い大都市でも、1000万円前後で50坪(165㎡)の宅地が購入できます。

その土地の上に、2000万円くらいの新築戸建てを建てても、土地と建物を合わせて3000万円程度で家が建てられます。

金利1.5%で35年3000万円の住宅ローンを組むと、月々約9万2千円で一軒家を所有できます

北海道の賃貸アパートは、給湯器の熱源のほとんどがプロパンガスで、建物の断熱効果も低いので、家賃が安くても、冬季のガス代は月々4万円位になります。

特に、賃貸アパートに入っているプロパンガスの料金は、賃貸オーナーの負担を避けるため、借主側に負担がかかる仕組みとなっており、灯油や都市ガス、またはオール電化の契約よりランニングコストが高額となります

以上のことから、賃貸アパートの家賃と、戸建てや分譲マンション(区分所有マンション)の住宅ローンは、ランニングコストを考えるとほぼ同じになるので、新築や中古で住宅を購入してしまった方が、コスト面でも子供の環境の面でも良いだろうと考え、多くの夫婦が結婚から1年位で住宅の購入を考えます

新築を購入か中古を購入か

住宅購入(戸建てや区分所有マンション)の際、新築を購入するか、中古を購入するかという選択をしなければなりません。

ペアローンを組む場合、多くの場合“新築を購入”するケースです

現在、新築と中古では倍くらいの価格差があります。購入額の目安を大雑把にいうと、新築は4000万円、中古(築10年以上経過)は2000万円です。

中古の場合、夫の単独名義でローンを組むことが比較的容易なのですが、新築の場合、購入費や借入額が多額(4000万円前後)になることから、夫の単独名義でローンを組むことが難しいことがあるので、ハウスメーカーの担当者の方は、妻とペアローンを組み、借りられる額を上げることを提案していきます

新築が高い理由

近年、ウクライナ情勢、燃料高騰の影響で、ほぼすべての物価が上昇しております。特に、建築費用は上昇し続けています

当事務所の所在地である札幌市内でも、近年、不動産価格が上昇しており、工務店ではなくハウスメーカーで新築住宅を建てた場合、建物建築と外構工事で3500万円近くになることもあります。

新築マンション購入も建築費高騰の影響を受け、札幌市でいえば、中央区以外の区でも、新築区分所有マンション1室で4000万円くらいになることがあります。

年間の給与所得や個人事業主所得、役員報酬が350万円~400万円の場合、一般的に1人で借りられる額は3000万円位(所得の7倍が目安)が限界です

そのため、新築戸建てや新築区分所有マンションを購入する際には、ペアローンを組むことが多いです。

ペアローンを組むことになった場合、夫または妻を守るため、遺言の作成を検討した方がよいでしょう

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