《保存版》不動産の相続前後で相談すべき士業や事業者について

相続・遺言コラム

不動産が絡む相続の前後で誰に相談すれば良いか

不動産の売買取引というものは、不動産投資家でもなければ、多くの方が一生に1回か2回であると思います。

最初の一回は自分自身の自宅を購入するとき、もう一回あるとすれば、親や兄弟の不動産を相続した時です。

例えば、アパートの一室についての賃貸借契約であれば、アパマンショップさんなどの不動産会社窓口に行った経験のある方は多いでしょう。

しかし、一軒家やマンションなどの区分所有建物の売買については、自分の自宅を購入するとき以外は、相続の時くらいかもしれません。

今回のコラムでは、主に不動産が絡む相続の前後で相談するべき専門家を紹介してみたいと思います。

相続発生前に相談する専門家

相続(人の死亡)が発生する前に自宅や空地を終活の為に整理しておきたいという方もいらっしゃると思います。

1. 宅建業者

いろいろな処分の方法がありますが、一般的なのは不動産を売却するという方法です。

売却するためには、購入者を見つける必要があるので、購入者をレインズという不動産業者間のシステムやアットホームなどのポータルサイトを活用して見つけてくれるのが、宅地建物取引業者です。

一般的には、宅建業者あるいは、不動産屋さんと呼ばれる方々です。

自宅を相続発生前に売りたいとのことであれば、宅建業者の方に相談すると良いでしょう

ハウスドゥなど一部の宅建業者については、リースバックという手法で、住みながら自宅を売るという方法も用意しております。

住み慣れた自宅に住みながら、まとまった現金を得たいという方は、リースバックを行っている宅建業者にご相談するとよいでしょう。

ただし、リースバックの場合、土地がある程度高いところでないとまとまった現金を得るのは難しいかもしれません

北海道でいえば、札幌市内の住宅街であれば、リースバックの手法が利用できるでしょう。

2. 銀行などの金融機関

銀行など金融機関は、自宅を担保としてまとまったお金を貸し出すリバースモーゲージという手法でお金を貸し出してくれます

注意点は、先ほど解説したリースバックで取得したお金が自宅の売却金であるのに対し、リバースモーゲージによって取得したお金は借入金であるということです。

まとまったお金は返さなくて良いのですが、長期間の経過により利息がどんどん増えますので、想像以上に長生きした場合には、利息支払い合計額がかなり膨らむときがあります

最近では、60歳を超えた後、死亡後に売却を前提でお金を貸し出すリ・バース60という商品も出てきています。

例えば、子供が巣立ち、2人だけで住むには広すぎるので一旦取り壊し、老後にも住みやすいユニバーサルデザインを導入した平家などに再建築するときなどに、利用することが想定されます。

3. 行政書士、司法書士、弁護士

不動産をお持ちの方の相続発生前の終活相談で意外と皆さま知らないのが、遺言の相談です。遺言の相談先は、行政書士、司法書士、弁護士がメインとなります。

詳しくは参考記事で解説しておりますが、遺言の中でも、公正証書遺言を書いた方がよいです

この時、直接公証役場に出向いて公正証書遺言を作成することもできますが、多くの場合、行政書士、司法書士、弁護士に口頭でお気持ちを伝えると、業務として遺言原案を作成してくれます

公証役場に提出が必要な添付書類(戸籍や住民票や固定資産評価証明書)なども遺言者(遺言を作成しようとする人)に代理して取得してくれますので、自宅からほぼ動くことなく公正証書遺言の準備ができます

公正証書遺言の正本作成当日は、基本的には、公証役場に遺言者も出向く必要があるのですが、所要時間は30分程度で終わります。

例えば、北海道でいえば、札幌市の中央区や西区などの住宅街に住んでいると土地の価格が高額のため、遺言を作成していないと、相続発生時にトラブルに発展することがあります

そのため、自宅の不動産の価値が高額で、相続人(正確には推定相続人といいます。)同士の仲があまりよろしくない場合には、行政書士などの遺言の専門家に相談して対策をしておくと良いでしょう

もちろん、たまき行政書士事務所でも公正証書遺言作成のご相談をお受けしております。

参考記事

遺言を残したい

4. 税理士

不動産をお持ちの資産家の方で、終活相談をしたい方は、相続税などの資産税分野に強い税理士に相談してみるとよいでしょう

ご自分の総資産を把握し、どのような生前の対策を採ることができるかアドバイスをもらうことができると思います。

税理士は、もっぱら所得税分野に強い税理士所得税分野はもちろん資産税分野にも詳しい税理士とがおりますので、相続税申告などを日常行っている税理士の方に相談すると良いと思います

札幌市内であれば、比較的容易にインターネットで検索すると資産税に詳しい税理士の方を探すことができると思います。

相続発生後に相談する専門家

相続発生後のご相談先は主に2ルートに分かれます。

1ルート目は、相続人同士に紛争がない場合、あるいは、公正証書遺言などの遺言がある場合の相談先は、行政書士あるいは司法書士がお勧めです。特に、相続手続きを主力業務としている事務所がお勧めです。

2ルート目は、相続人同士が完全な紛争状態である場合です。紛争性が顕在化している場合には相談先は弁護士一択と考えて良いでしょう

紛争性がない場合には、相続手続きに詳しい行政書士か司法書士

おそらく7~8割程度の相続事案は、紛争性がない案件です。紛争性の定義は画一したものはないですが、かみ砕いて解説すると相続人の仲が悪く、相続の取り分について揉めている場合です。

それ以外の相続事案は、紛争性は内在しているかもしれませんが、当事者同士で解決できるものばかりです。

事案が複雑で難しいが、相続人同士の協力は得られそうという場合には、弁護士の方でなく、行政書士や司法書士で大丈夫です。

最近では相続手続き代行という民間会社も多数出てきておりますが、書類の作成を業務とすることは、法律上は、行政書士や司法書士、弁護士の職域となりますので、民間会社が相続業務を請け負い、司法書士などの法律家が監修というような会社は要注意です

そして、乱立している「専門家を無料で紹介します」という相続ポータルサイトにも十分注意してください。

不動産をお持ちの方の相続が発生すると、遺産分割協議書の作成やその他固定資産評価証明書(自治体の固定資産税課などが発行)登記簿(法務局が発行)を取得する必要があります。

この時、行政書士や司法書士が業務として相続手続きを行うことができます(登記申請行為は司法書士のみ)

たまき行政書士事務所では、提携する司法書士と連係して不動産の相続手続きを行っております。

(業務)
第一条の二 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする

行政書士法

紛争性があるときは弁護士

弁護士法72条により、紛争性が顕在化している相続案件は、業務として弁護士しか携わることができません。行政書士が紛争性の顕在化している相続案件を担当するのは弁護士法違反となりますので、行政書士が紛争性の顕在化している相続案件を受任することはありません。

相続人同士の仲が悪く、取り分で揉めているという場合には弁護士の方に相談すると良いでしょう。

例えば、北海道では札幌市などの都心部では、インターネット検索で相続に得意な弁護士事務所を探すことができるでしょう。

北海道の地方都市にお住いの方については、法テラスなどに一度問合せをすると良いでしょう。

法テラスは国が主導して設立した弁護士や司法書士の紹介窓口です。コールセンターの応対がとても親切なので、お電話しやすいかもしれません。

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

弁護士法

相続手続きが終わったら宅建業者に相談

一般の方は意外に思う方も多いかもしれませんが、相続において、相続人同士が故人の自宅を売却してお金を分配したいという場合、一旦生きている相続人へ名義変更をする必要があります

そのため、不動産をお持ちの方の相続が発生して売却予定という場合には、一旦、不動産の相続手続きをしてから(相続登記が完了してから)、宅建業者の方(不動産屋さん)の所に相談に行く必要があります

順番としては、

  • ① 相続人へ名義変更が完了
  • ② その後、宅建業者の方の所に相談にいく

と良いでしょう。

まとめ

今回の相続コラムでは、不動産をお持ちの方の相続の前後で相談すべき士業や事業者について解説しましたが、

  • 不動産をお持ちの方が危篤の場合には?
  • 認知症が進んでいる場合には?
  • 相続人が多数である

など、今回のコラムの内容に当てはまらないようなご相談や、複合的に問題点がある相談など様々です。

相続相談は、資格があればよいというものではなく、相続手続きを実際に多数行った経験がものをいいますので、相続業務を多数行っている専門家がお勧めです

札幌市内、札幌圏内、北海道内の相続については、たまき行政書士事務所にお気軽にご相談ください

料金体系も明確にしており安心できると思います。

参考記事

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    北海道札幌市北区北32条西5丁目3-28
    SAKURA-N32 1F
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    070-4308-1398(行政書士直通電話)
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