【遺言を作成した方が良い方】
第2話 いわゆる“おひとりさま”(自身の子供なし、両親死亡、配偶者が先に死亡(または独身)の場合

相続・遺言コラム

遺言を作成した方がよいかどうかの判断について

第1話でもご紹介しましたが、遺言を作成するべきかどうかを判断するために絶対に必要な検討は、もし、遺言を作成していなかったら、相続人の方はどのような手続きをとっていくことになるのか検討することです

遺言を作成するときは、自分の財産の行方を指定するという、遺言者(遺言を残そうとする方)の意思の尊重だけでなく、遺言を残していなかった場合に、推定相続人(もし、遺言者が死亡したときに法定相続人となる方)がどのような手続きを行うことになるのか理解することも必要です。

いわゆる“おひとりさま”(自身の子供なし、両親死亡、配偶者が先に死亡(または独身))が死亡した場合、ほとんどのケースで、“おひとりさま”の兄弟姉妹あるいは甥や姪が相続人となります。非常にまれではございますが、“おひとりさま”が一人っ子であった場合には、相続人はいないこととなります。

“おひとりさま”は遺言の検討が必要です

“おひとりさま”が死亡すると、兄弟姉妹あるいは甥や姪が相続人となります。兄弟姉妹あるいは甥や姪が相続人となる相続のケースは“兄弟姉妹相続事案”と呼ばれ、手続きがとても難しく、非常に解決しにくいです

難しい理由を簡単に2点挙げると、

  • ① 戸籍収集が大変複雑(40通以上になることもよくある)
  • ② 相続人同士が疎遠で、遺産分割協議ができないことが多い

ということが挙げられます。

“おひとりさま”は多くの場合、兄弟姉妹や甥や姪、または近所の方やヘルパーさんなど、特定の方にお世話になっていると思います。
お世話になっている方に確実に遺産を取得してもらうには、遺言、特に公正証書遺言で遺産の帰属先を指定するとよいでしょう

公正証書遺言を書いていた場合の相続手続き

公正証書遺言を書いていた場合、相続手続きは非常にシンプルになります。

具体例

“おひとりさま”の法定相続人は10名(兄弟姉妹と甥姪)。
相続財産は預貯金、株式、投資信託で計1000万円。
主にお世話になっている方は同居の妹(8歳年下)一人。

公正証書遺言を作成済みで、遺言執行者に妹が指定されている。

この場合、“おひとりさま”が死亡した後、妹様が遺言執行者となり、自身に全財産を相続させることで相続手続きが完了します

“おひとりさま”の相続では、兄弟姉妹または甥や姪にいわゆる遺留分がないため、相続手続き完了後に遺留分減殺請求をされることもなく安心です

ただし、遺言執行者の役割として、法定相続人の方々に死亡の事実や財産の状況を通知する必要はあります

遺言が無い場合、“おひとりさま”の相続はどうなるか

先ほどと同じ具体例で、遺言が無い場合の流れについて説明します。

具体例

“おひとりさま”の法定相続人は10名(兄弟姉妹と甥姪)。
相続財産は預貯金、株式、投資信託で計1000万円。
主にお世話になっている方は同居の妹(8歳年下)一人。

戸籍を調査収集していきます。戸籍を集める範囲が広くて難しいため、行政書士や司法書士などの専門家にお願いすることになると思います。2~3か月

財産を調査します。1か月程度

法定相続人全員に、相続人の構成と相続財産を通知し、法定相続人全員で集まります。ただし、法定相続人の住所はバラバラの地であることが多いので、実際は書面でやり取りすることが多いです。1か月程度

妹様にすべて相続させるという提案をしたが、法定相続分を主張する相続人が数名出てきて、遺産分割協議が不成立。1か月程度

結局、法定相続分で平等に分けることにより解決。さらに1か月程度

このように“おひとりさま”の相続では、遺言が無い場合、最短でも半年程度はかかります。

“おひとりさま”が不動産を所有していた場合にはもっと大変に

先ほどの具体例では、預貯金など金融資産のみの保有であることを想定しましたが、不動産を所有しているともっと大変になります

詳細な解説は割愛しますが、不動産があると財産的価値の把握が難しくなり、誰を所有者にするか決まらない場合がありますので、手続きの難度がもっと上がり、解決までに時間がかかります。

遺言を作成していると、遺言執行者が淡々と手続きしていけば解決しますので、“おひとりさま”は特に遺言を作成した方が良いです

相続人ではない方に財産を渡したい場合には遺言が必要

例えば、死亡後、長年お世話になっている病院や施設に財産を渡したいと考えていても、そのようにするには、現行の法律だと遺言を残さなければなりません

遺言を残していない場合、法定相続人がどんなに疎遠であったとしても、通常、“おひとりさま”の財産が法定相続人以外に渡ることはありません

ただし、遺言、特に公正証書遺言を作成して遺言執行者を指定しておけば、相続人以外にも財産を残すことができます。これを遺贈といいます。

遺贈では、病院や施設、ヘルパーさん、日本赤十字、NPO法人、住んでいた自治体(用途を指定することもできる)へ金銭や不動産を渡すことができます

まとめ

“おひとりさま”は、一番お世話になった方に確実に財産を渡すために、遺言の検討をしておいた方が良いです。信頼できる遺言や相続の専門家に一度ご相談してみると良いと思います

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