【遺言を作成した方が良い方】
第10話 推定相続人の中に認知症や障害のある方がいる場合
相続・遺言コラム
推定相続人とは
推定相続人とは、仮にある方が死亡した時に法定相続人となることが予定されている方です。例えば、夫、妻、長男及び長女の家族構成で、夫が死亡した場合、妻と長男、長女が推定相続人となります。
なぜ、推定という言葉が付くかというと、将来、妻と離婚した場合、妻は法定相続人となることはないですし、また、長男が夫(長男から見ると父)より先に死亡した場合には、長男も法定相続人ではなくなるからです。
ただし、推定相続人や法定相続人などは細かな学問上の表現の違いに過ぎないですので、説明の際には、専門家でも単に、“相続人”と表現することもあります。
参考記事
具体的事例
夫、妻、長男、長女という家族構成で、夫の自宅や預貯金の合計が1億円であると仮定します。1億円の財産があると、相続税の基礎控除額を超えております(今回の夫の推定相続人は3人となるので、相続税の基礎控除額は、4800万円となります)ので、死亡日から10か月後には、相続税の申告や納税も必要です。
参考記事
今回の事例で、仮に妻が認知症になってしまっている、あるいは、長男に脳障害などがあり、日常生活は何とか問題なく送ることができるが、遺産分割協議に参加する判断能力がない方がいる場合、法定後見人(正確には、成年後見人と呼びますが、任意後見人との区別のためここでは、法定後見人と表現します。)などを付けない限り、遺産分割をすることが出来ない状態となります。
確かに、法定後見人を就けると法定後見人が相続人の代わりに遺産分割協議自体はできますが、遺産分割協議が終わった後も法定後見人がずっと就任し続けることとなります。
そうすると家族にとっては、
- 法定後見人への報酬の支払い
- 財産管理を自由にできない
など負担が生じる可能性が大いにありますので、法定後見人を就けなくて済むようにする方がよいこともあります。
公正証書遺言があれば、遺産分割協議を経ず手続きまで完結できる
先の事例で、夫がもしも、公正証書遺言を作成しておけば、夫の相続が数年後発生した場合でも相続手続きを遺言執行者によって行ってくれるため、自分が死亡したあと財産はどうなるかについてそれほど悩む必要はなくなります。
例えば、先の事例で、長女が家族の信頼を得ており全般的に家族のために財産管理などしてくれている場合、長女を遺言執行者とし、同じく長女を受遺者とする公正証書遺言を作成すると遺産分割協議を経ることなく相続手続きができます。
相続手続きをすることができれば、相続税の納税資金を確保できますし、家族を今後も財政的にも長女を通じて支えることができます。
そのため、推定相続人の中に認知症や体に障害のある方がいる場合には、公正証書遺言を作成することがおすすめです。
公正証書遺言でなければならない理由
遺言(ゆいごん)は、実務では、自筆証書遺言と公正証書遺言のほぼ2択となり、両者に法律上の優劣はないためどちらでもよいともいえます。
しかし、相続手続きの実務では、2つの遺言には大きな差があります。公正証書遺言の方が手続き等がスムーズに進みます。
詳しくは、「公正証書遺言と自筆証書遺言どちらを作成した方がよいですか?」で自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを解説しておりますが、端的に表現すると実務での遺言の信用性がまるで違います。銀行等の金融機関も公正証書遺言と自筆証書遺言の扱いに差を設けていることがあります。
公正証書遺言は、制作過程や法律家が確実に関与することから偽造や書き方の不備がほぼありません。
これに対し、自筆証書遺言は、
- 遺言執行者の記載や記載した日付が抜けている
- 本人の直筆かどうかが不明確な部分が残る
など、手続きの際スムーズにいかないことがあります。
せっかく、遺言を作成するならのちのトラブルのほぼない公正証書遺言を作成した方がよいでしょう。自筆証書遺言は、遺言の無効の調停を提起されることも多く不安定な遺言といえると当事務所では考えています。そのため、たまき行政書士事務所でサポートする遺言は基本的にすべて公正証書遺言となっております。
まとめ
今回の遺言を残した方が良い方のコラムでは、推定相続人の中に認知症や障害のある方がいる場合について解説しましたが、これ以外にも遺言を書いた方が良い方というのはいろいろなケースであります。
- 自分は遺言を書いた方が良いのかな?
- 親に遺言を書いてもらった方が良いのかな?
とお感じになる方はお気軽に相続遺言専門のたまき行政書士事務所までご連絡ください。
遺言のサポートは、基本的に北海道の方のみとなりますが、東京都など一部の都市では、サポート可能な場合もあります。まずは、お電話、メール又はラインにてお気軽にお問い合わせください。
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